サギソウ

漢字・別名・流通名

鷺草(サギソウ)



サギソウ1.jpg
「ミュージアムパーク 茨城県自然博物館(茨城県坂東市)」にて (2013.06.16 撮影)


学名 Habenaria radiata
英名 Eargret flower、Fringed orchid
科属名 ラン科 ミズトンボ属
性状 多年草、湿地性
原産 日本
花言葉 夢でもあなたを想う、芯の強さ、繊細、清純、無垢、神秘、発展


日当たりのよい平地や湿地に自生する野生ランです。
乱獲や生育環境の破壊により現在では自生のものを見る機会は少なく
環境省のレッドリストでは準絶滅危惧種に指定されています。

花期は7~9月頃。
唇弁が幅広く、その周辺が細かい糸状に裂ける白い花を咲かせます。
花には3~4cmにもなる長い距があり、この末端に蜜が溜まります。
夜になると芳香を発します。

葉は根出葉が少数つき、花期になると茎は単立して20~50cm高く伸びる。
葉に美しい斑の入る品種もあります。

花の姿がシラサギが翼を広げた様に似ていることから
「鷺草(サギソウ)」と名付けられました。

世田谷区の「区の花」に指定されています。

伝説
東京は世田谷の戦国時代。今から400年ほど昔のこと。。。
各地の大名が兵を起こし、群雄割拠の様相を呈していた。
世田谷から衾村(ふすまむら)、碑文谷郷一帯は世田谷城主吉良頼康の支配下にあった。
頼康は、奥沢城主大平出羽守の娘「常盤姫(ときわひめ)」を側室として迎えた。
やがて、常盤は子を身ごもったため、頼康はことのほか常盤を慈しむようになったが
頼康には常盤のほかに12人の側室がおり、彼女たちは頼康を一人占めにする常盤を妬み
悪い噂話を流し常盤への愛情を妨げようと企んだ。

常盤の悪い噂を頼康は否定しながらも、心の中にはいつの間に疑惑の霧がたち込めていき
自然と常盤へも冷たい仕打ちをするようになったが、とりなしてくれる者も無く
悲しみに暮れた常盤は「いっそ死んで、身の潔白の証しにしよう」と思いつめた。
奥沢城の父に宛てた遺書をしたためると、小さいころからかわいがって、
輿入れの際にも一緒に連れて来た1羽の白鷺の足に結びつけ奥沢の方角へ放った。

主人のただならぬ様子をさとったかのように、白鷺は奥沢城目指してまっしぐらに飛び去った。
ちょうどそのころ衾村で狩りをしていた頼康は、この白鷺を見つけ射落としてしまった。
見ると白鷺の足に何やら結びつけてあるので不審に思って開いてみると、
常盤から父へ覚悟の自殺を報じた文であった。
驚いた頼康は急ぎ城に帰ったが、時すでに遅く常盤は自害し果てた後であった。
傍らには死産の男の子の姿があった。

疑いは晴れたが、もう常盤も子も戻っては来ない。
深く後悔した頼康は、せめてもの償いにふたりの霊を慰めようと、領内の駒留八幡宮に
若宮と弁財天を祀ったのである。
一方、使命半ばにして倒れた白鷺は、よほど無念だったのか、
その地に鷺の飛翔する姿の花を咲かせる草になったという。


写真

サギソウ2.jpg
「ミュージアムパーク 茨城県自然博物館(茨城県坂東市)」にて (2013.06.16 撮影)



  • 最終更新:2013-07-09 16:16:57

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