ビワ

漢字・別名・流通名

枇杷(ビワ)

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学名 Eriobotrya japonica
英名 Loquat
科属名 バラ科 ビワ属
性状 常緑高木
原産 中国南西部
花言葉 温和、治癒、あなたに打ち明ける、密かな告白


開花は11~2月で、枝先にやや黄色味を帯びた白い五弁の小花を咲かせる。
目立たない花ですが、かぐわしい香りを持つ。

初夏に卵形の甘い実が多くなり、黄橙色に熟す。
果実は花托が肥厚した偽果で、全体が薄い産毛に覆われている。
実の中に大きな種を持つ。
名前の由来は、果実の形が楽器の琵琶(ビワ)に似ていることから名付けられた。

果肉は甘く、生食されるほか缶詰、ゼリーなどの菓子、ジャム等にも加工される。
果実はβカロテンやβクリプトキサンチンが多く含まれており、皮膚や粘膜、消化器官などを正常に保つ働きがあります。
高血圧の予防をはじめ、がん予防やアンチエイジングにも効果があるといわれます。
また、ポリフェノールの一種であるクロロゲン酸も含まれています。

樹高は2~10m程になる。
樹は乾燥させると非常に硬い上に粘りが強く、昔から杖の材料として利用されていた。
乾燥させて磨いた物を縁起物の「長寿杖」と称して利用されている。
激しく打ち合わせても折れることがないことから、剣道や剣術用の高級な木刀としても利用されている。

葉は20cm程の長楕円形で厚くて堅い。
濃い緑色で、表面にはつやがあり、葉脈ごとに波打つ。縁には波状の鋸歯がある。
裏には産毛がある。互生。

葉にも薬効があり、タンニンやビタミンB17(アミグダリン/レートリル)が多く含まれ、
咳止めやがん予防に効果があるといわれ、乾燥させてビワ茶とされる。
葉を直接患部に貼るなど生薬としても用いられる。
葉の上にお灸を乗せる(温圧療法)とアミグダリンの鎮痛作用により神経痛に効果があるとされる。


品種

  • 茂木(もぎ)
江戸時代に、長崎県の代官屋敷に奉公していた女性が、中国商船から持ちこまれた枇杷の種を茂木町にある自宅の庭にまいて育てたのが、栽培の起源とされている。
食用の枇杷として最も出回っており、小ぶりですが甘味が強く、酸味が控えめ。
主な産地は長崎県や鹿児島県、香川県など。

  • 田中(たなか)
明治12年頃に植物学者田中氏が、長崎県で食べた枇杷の種を東京に持ち帰り、自宅にまいて育成したのが始まりとされています。
果実は釣り鐘形で、茂木に比べるとやや大きめ。甘味が強く、酸味も適度にあるバランスのとれた品種。
また、耐寒性が強いことも特徴。
主に愛媛県や千葉県、香川県や兵庫県などで栽培されています。

  • 楠(くすのき)
明治9年頃、高知県でできた品種。唐ビワの実生です。
果実は小さめですが、果肉がやわらかく酸味が控えめ。

  • 長崎早生(ながさきわせ)
「茂木」と「本田早生」の交配品種。
寒さに弱いため、ハウス栽培されることが多く、実は露地ものに比べて2ヶ月ほど早く店頭に並びます。
糖度が高く、みずみずしい上品な味わいが特徴。

  • 大房(おおぶさ/たいぶさ)
実の大きな品種で、「田中」と「楠」の交配品種。
主に千葉で栽培されていることから「房総びわ」とも呼ばれます。

  • 房光(ふさひかり)
「瑞穂」と「田中」の交配品種。
果面は濃い橙黄色で光沢があり、完熟すると桃色を帯びる。
果肉はやや粘性ですが軟らかく、糖、酸共に高く食味は濃厚で、果肉のきめが細かくなめらかな食感。

  • なつたより
「長崎早生」と「福原早生」の交配品種。
実が大きく、甘味は強めで酸味は控えめ、果肉はソフトでみずみずしく上品。

  • 白茂木(しろもぎ)
「茂木」の種子に放射線を照射し、突然変異を誘発して作られたもの。
果皮と果肉がやや白っぽい黄白色をした品種で、糖度が高く、ほどよい酸味が特徴。
肉質はやわらかく多汁。

  • 希房(きぼう)
「田中」と「長崎早生」の交配品種。
食べやすい、種なし品種。
生産数が少ないので、あまり見かけることはありません。

  • 瑞穂(みずほ)
「楠」と「田中」の交配品種。
ほどよい甘味と適度な酸味がある。
果皮は淡いオレンジ色で、薄い緑色の小さな斑点が出ることもあります。
主産地は千葉県です。

  • 涼風(すずかぜ)
「楠」と「茂木」の交配品種。
糖度が高く酸味が少ないのが特徴。

  • 陽玉(ようぎょく)
「楠」と「茂木」の交配品種。
「涼風」よりも一回りほど大きく、甘さと酸味がほどよく調和した品種。

  • 涼峰(りょうほう)
「楠」と「茂木」の交配品種。
やや大きめで甘い。

  • 麗月(れいげつ)
「楠」と「茂木」の交配品種。
やわらかくて甘酸適和。

  • 土肥(とい)
静岡県土肥地域の特産の白いビワ。
1877年(明治10年)に中国から持ち帰ったビワの種から誕生。
小粒で食べられる部分は少なめですが、白く繊細な果実は香りがよく美味といわれています。
風雨に弱く傷つきやすいため、市場にはあまり出回らず、お酒やゼリー、ジャムなどに加工されることが多いようです。


写真

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果実(垂水産) (2017.05.13 撮影)


ビワ3.jpg
果実(垂水産) (2017.05.13 撮影)




  • 最終更新:2017-05-13 17:29:17

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